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2012年7月24日 (火)

『サマルカンドの金の桃』唐代の異国文物の研究

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エドワード・H・シェーファー 著

伊原 弘 日本語版監修  吉田真弓 日本語版訳  勉正出版アシアーナ叢書002  2007

 本のタイトルからして、とても魅力的なこの本は今は亡きシェーファー教授の著作を日本語訳したものです。シェーファー教授は1950年代から40年間おもに中国中世についての研究を続けた方で、京都大学人文科学研究所で研修員として滞日されたこともあったそうです。

 序文のなかで、伊原弘氏は、本書を手にしたときすぐ思い出したのは、プリニウスの『博物誌』である、と述べておられます。そして「正直なところ、本書を整理しつつ、その衒学趣味に辟易するとともに、ロマンチストを育てるかもしれないが、科学的探究者は育てえぬとの印象ももった。」と吐露しています。

 確かにそういう印象もありますが、それにしても読み物として面白く、隋唐時代の雑踏にまぎれこんで噂話をきいているような楽しさを感じます。私は読みながら面白く感じたところに付箋をつけていったところ、本は付箋だらけになりました。たとえば、第4章の野生動物で、獅子が取り上げられていますが、そこには獅子の糞は服用すればどろどろになった血液の通りをよくした、とあり、陳蔵器はこの獅子の糞と「蘇合香」というものは別のものである、と述べていることを紹介しています。

 あたりまえのものに飽きたような時、この本を開いて意外な発見をするのもよいかもしれません。本草学を学ぶには面白い資料だと思いました。

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