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2012年5月28日 (月)

ヴェサリウス VESALIUS The illustrations from his works

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J.B.deC.M.Saunders,Charles D.O’Malley

The world publishing company,Cleveland &

New York

先週の土曜日は医史学会の月例会に参加しました。そのひとつの演題は阿久津裕彦先生、澤井直先生、坂井建雄先生による「ヴェサリウス『ファブリカ』の筋肉人図における人体表現の形態学的分析」というものでした。そこで、今日はアメリカで出版された“VESALIUS  The illustrations from his works”を紹介します。

 編者のSaunders氏はカリフォルニア大学、O’Malley氏はスタンフォード大学の人で、この本の表紙裏には19715月の日付で、Saunders氏よりの贈呈の言葉が添えられています。

 ヴェサリウスは外科学と解剖学の教授としてパドヴァ、ピサ、ボローニャなどで教鞭を執った人物で、1538年“Tabulae Anatomicae Sex“ 1539年“Institutiones Anatomicae”を出版しています。30歳の時に出版した7巻からなる『ファブリカ』(“De humani corporis fabrica”=人体の構造)は名著として広まり、海賊版も作られたといいます。阿久津先生のご発表によれば、その魅力の理由は、その筋肉図が、生きている人体の観察を基に輪郭が描かれ、躍動感と実在感のあるものとなっている、ということでした。本当は解剖学的には、実際は皮下脂肪をとりのぞいた人体はその分だけ細くなるというのです。

 そのほかにも詳細にみれば破綻している部分があるにもかかわらず、このヴェサリウスの図は欧州で写され続け、時空を隔てた江戸や明治の日本の科学書にもコピーされています。(下図参照 「クルムス解体譜」文政9年(1826))それは、人間の目が無意識のうちに生き生きとした表現を好むということの証明なのかもしれません。

 当館には他にも古い本ですが、「美術解剖學論攷」「藝用解剖圖集」「醫學に関する古美術聚英」などがあります。興味のある方はご来館ください。

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