« ヴェサリウス VESALIUS The illustrations from his works | トップページ | 『自分で採れる 薬になる植物図鑑』 »

2012年5月30日 (水)

『認知症の薬物療法』

13

朝田隆・木之下徹:編   新興医学出版社 2011

 編者の朝田隆氏は筑波大学大学院人間総合科学研究科精神病態医学教授、木之下徹氏はこだまクリニック院長。他の執筆者は皆、筑波大学大学院人間総合科学研究科精神病態医学の先生方です。

 認知症に使われる薬剤の効果個性をエビデンスベースという保証付きで知りたいというニーズに応えて編集した、ということで、Ⅰドネペジル塩酸塩、Ⅱ ガランタミン、Ⅲ リバスチグミン、Ⅳ 塩酸メマンチン、Ⅴ 漢方薬、Ⅵ BPSDに対するセディールの効果、Ⅶこれからの認知症診療のめざすもの―BPSDとどう向き合うか と、7つの章でまとめられています。

 私が読んだのはⅥの漢方薬以降の章ですが、BPSDという言葉を初めて知りました。これは、Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia の略語だそうで、Ⅶ章のなかでは、「周辺症状」と訳されることが多いが、それは誤りだ、と指摘されています。徘徊・攻撃・暴言・暴力・拒絶・収集などの行動と、興奮・幻覚・妄想・不安感・うつ・不眠などの精神症状とを分けて捉える意識のもとで使われる言葉だということです。

 65歳以上で810数パーセントと言われている認知症に対して、このⅦ章では「お福の会宣言」というものを掲げています。人が尊厳をもって天寿を全うすることをめざすことが謳われ、高齢化の進む日本ではとても大切なことのように感じました。

 Ⅴ 漢方薬 の章では抑肝散、釣藤散、八味丸(八味地黄丸)、当帰芍薬散が取り上げられて、そのエビデンスも紹介されています。

« ヴェサリウス VESALIUS The illustrations from his works | トップページ | 『自分で採れる 薬になる植物図鑑』 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/586801/54833871

この記事へのトラックバック一覧です: 『認知症の薬物療法』:

« ヴェサリウス VESALIUS The illustrations from his works | トップページ | 『自分で採れる 薬になる植物図鑑』 »