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2012年5月22日 (火)

『中国医学古典と日本』

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小曽戸洋 著  塙書房 1996

 この本もまた、日頃書籍の紹介文などを書くときに大変お世話になっている本です。

 序章のなかで、中国の医学の源流には、『黄帝内経』『神農本草経』『傷寒論』という三大古典があり、「極論すれば、以降二〇〇〇年近くに及ぶ漢方医学の歴史は、これらの聖典をいかに解釈し、位置づけ、応用するかの延長線上でとらえることすら可能である」ということが語られています。

 これに沿って、第1章では『黄帝内経』の成立、日本の各時代での受容、書誌学的考察。第2章では『神農本草経』の成立、同じく日本の受容の歴史。第3章では『傷寒論』と『金匱玉函経』がそれぞれ取り上げられています。

 第4章では、『脈経』『肘後備急方』『小品方』『諸病源候論』『千金方』『千金翼方』『外台秘要方』『医心方』の8つの古典が取り上げられ、第5章では敦煌文書および西域出土文書中の医薬文献が解説されています。

 それにしても、医学古典の世界は散逸と編集の長い長い歴史があり、いろいろの事情や思惑などでその経歴が隠されたり、あるいは明らかにされたりして、多くのドラマを見る思いがします。膨大な数の書籍を実見した著者ならではの詳細で網羅的な解説が、読者を医学書二千年の旅へと案内してくれます。

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